「泥濘の食卓」3巻についてネタバレをまとめました。

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[前巻のあらすじ]
不倫相手の那須川から別れを告げられてしまった深愛。
そもそもが不倫にもかかわらず、深愛はますます那須川に執着し、ついには自宅を訪れて、陰から那須川の行動を監視するようになりますー。
「泥濘の食卓」3巻ネタバレ
深愛は母の病院を訪れ、婦人科検診を受けます。
深愛はソオのさいの問診票に、パートナーも性行為もなし、と答えています。
その深愛の問診票を見て、深愛に今まで恋人がいたことがない、という母。
それに対して医師は、性行為がなくてもきちんと定期的に検診を受けることを深愛に勧めます。
母の言葉にも何も言わず、医師の勧めにただ、はい、と返事をする深愛。
担当した医師に、親子で顔がそっくりだ、と言われ、否定する母なのでした。
深愛は30分ほど母を待ち、一緒に帰ることにします。
深愛が待合室で子供の名付けの本を読んでいると、スリッパのままでソファに上がっている子供を叱りつける声が聞こえてきます。
声の主は帰り支度を済ませた母でした。
母は、その子の母親にも怒鳴り声をあげます。
恐縮するその子の母親に申し訳ない気持ちになりながら、深愛は黙って母について行くのでした。
帰ってからの夕食の席で、母は、翌日に控えた父の命日の話をします。
深愛の父親は8年前に亡くなっています。
母が深愛の予定を確認しますが、もちろん深愛は休みを取ってあります。
翌日も天気は雨予報で、雨を嫌う母はうんざりしている様子です。
服が汚れる、洗濯物が干せない、外が暗い、髪の毛が広がる、と文句が続く母。
でも実は深愛は雨の日が好きで、少し開けた窓から聞こえる雨の音を聞いていると心が落ち着くのでした。
この夜も既に雨が降っていて、その雨の音を聞きながら深愛は、那須川との子供につける名前を考えるのでしたー。
翌日、深愛と母は雨の中、父のお墓参りに行きます。
父のお墓は、感謝、と書かれた可愛らしいデザインの墓石です。
手を合わせると、さっさと帰ろうとする母。
もういいのか、と問う深愛に母は、こんな変な墓石の持ち主だと誰にも見られたくない、と言って、父のお墓から離れます。
なぜ義兄達がこんなデザインのお墓を建てたのか理解できないと言う母は、
自分はこんなところに入りたくない、深愛と同じお墓に入りたい、と言うのです。
それに対して深愛が、自分と自分の旦那のお墓に母が入ったら父が寂しがってしまう、と返します。
そうすると母は、自分は深愛との2人の暮らしを割と気に入っている、
深愛には結婚して欲しいけれども、1人になってしまう、
深愛の将来の旦那が自分との同居を許してくれるとありがたい、と続けるのでしたー。
深愛は父親に殴られて育ったのです。
洗濯しては洗濯もロクにできないのか、と殴られ、テストの点が父の理想でなければ殴られました。
それでも、深愛は悪いのは自分で、それだけ自分が不出来だったせいだ、と思っています。
なので、父親が死んだ時に深愛は悲しみ、涙も流しました。
でもその一方で、もう痛い思いをしなくてもいいのだ、と安心する自分もいたのです。
父の遺骨を拾いながら深愛は、自分は本当にひどい人間だ、と思いました。
深愛は、父が死んだ時に抱いた安心した気持ちを、ずるいものであり、絶対に忘れなければいけないものだと思っています。
深愛は、そんな感情を抱いた最低な自分を那須川に知られたくないのです。
お墓参りの後、深愛は仕事先に立ち寄ります。
深愛の姿に気づいた仕事中の那須川は、驚いて、休みのはずなのにどうしているのか、と深愛に声をかけます。
それに対して、買い物に来た、と返す深愛なのでしたー。

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「泥濘の食卓」3巻感想
ようやく、深愛の父親の死亡が明らかにされました。
死んでしまっていることももちろんですが、やはり予想通り、深愛に暴力を振るって虐待していたようです。
深愛を殴りながら、お前はダメだから、なんの取り柄もない役ただずなのだから、と言い続けて、自分の暴力も肯定していたのでしょう。
深愛は洗脳されて育ってしまったのではないでしょうか。
そうなれば、深愛の心が闇に犯されてしまうのも無理はありません。
深愛の異常なまでの自己肯定感の低さも頷けます。
母親は殴られることはなかったのか、どうして父親と同様に深愛を否定するような言葉を掛け続けるのか、まだまだ母親に対しても疑問が尽きません。
この母親も父の洗脳に犯されていたのでしょうか。
深愛を否定するような言葉を掛け続けながら、一方で深愛との2人の生活を気に入っていると言うなど、愛情とは違う、執着のようなものを感じます。
那須川との関係、母からの執着、深愛自身の自己否定など、深愛がいろんなことに苦しまされていく姿が想像できます。。。
少し怖いですが、この目が離せない感じのまま、読み進めていきたいと思います。